旗状地は人気がなく、整形地のほうが好まれます。理由は専門家の解説をお読みください。実際、地場の不動産仲介業者に「このエリアは特に竿状は不人気です」と言われました。

税制上、もっとも有利といわれる「使用貸借」ではなく、建設地を「購入」するべく動いていたら、竿部分が4m超の広さの2区画になるか、細長い区画が南北に並ぶか、竿部分が2mの極細で3区画になっていたでしょう。長方形の整形地2区画だと辛うじて買い手もついたはず。ただ、残念ながら間口が最大5.4m程度しか取れず、注文住宅建築向けの売地としては成立しない。どう切り取っても、まさに負の資産です。

せめて間口が6mあれば間取りの自由度が増すため、長方形2区画案の現実味が増すのですが、どうしても足らないので、ハウスメーカーから提案を受けた、竿部分が3mという半端な旗竿地となりました。

南北2区画(間口最大8m)の敷地に合わせた間取り別案

可能性の一つとして考えた東西に細長い間取り(1階・2階)です。トレンドの対面キッチンさえ取りやめれば十分に広さを確保できます。むしろ、このほうが良かったかもしれません。


 

不動産業者からは竿部分が4mないと将来全く売れないと釘を刺され、義父や配偶者に伝えたのですが無理でした。約3mという広さも、ハウスメーカーの営業さんから、これ以上狭いと工事車両が入れないという押し込みがあってしぶしぶ通った感じで、業者が消費者に直接販売する建売住宅以外、「接道4m以上」を義務付けるべきでしょう。

接道義務やハザードマップの事前説明などが強化されると、古家つき売地の多くは一般向けには売却不可になるので、空き地の駐車場、駐輪場転用や、複数の区画をまとめた大規模開発が進むはずです。現時点で分流式下水道のないエリアは市街化調整区域に格下げし、住宅ローン利用不可にしたほうが安全でしょう。

建設地同エリアの売地 売出価格

駅徒歩9分/古家あり/840万円(坪単価15万円)←ここと同扱いか、それ以下
駅徒歩9分/建築条件付き・下水道あり/1100万円(坪単価28万円)
駅徒歩6分/ミサワホーム建築条件付き・下水道あり/1200万円(坪単価29万円)
駅徒歩7分/下水道あり/1750万円(坪単価30万円)

※本下水整備中のため、引き込みの有無で土地価格が大きく変わっている。下水道ありの土地は、ちゃんと売れている模様。後回しにされた範囲に居住する土地売却希望者は、声を上げて自治体に早期引き込みを要望するべき。同時に、駅前に24時間営業の小型スーパー、保育所・学童施設、私立中学・高校受験予備校、子ども向け学習教室とタクシー待ち合わせエリア、屋根付き有料月極駐輪場、シェアサイクルを設置すれば街の価値は上がる。